看護師の働き方は様々
看護師には、さまざま雇用形態があります。見方を変えれば、それだけ自分に合う働き方を選びやすい職種だということです。それぞれの雇用形態の特徴・メリット・デメリットを踏まえたうえで、自分のライフステージや理想に適した選択をしてみませんか?看護師という仕事に誇りをもって活躍しつつ、より一層、プライベートも充実させることができるでしょう。
看護師といえば「常勤看護師」
看護師の働き方で、一番スタンダードなのは「常勤看護師」です。常勤のなかでも、夜勤を含むものと含まないものがありますが、ここでは「夜勤を含む常勤看護師」について見ていきます。
夜勤シフトがある常勤看護師の場合、24時間患者のお世話をする病棟や老人ホーム、救急外来が主な勤務先です。勤務シフトはそれぞれ異なりますが、大抵は2交代か3交代で日勤と夜勤(3交代の場合は深夜勤もあり)を組み合わせながら働いています。
2交代と3交代の大きな違いは、交代の回数と勤務時間の長さです。どちらが働きやすいかは、その人のライフスタイルや家族構成、体質、性格などにより異なります。まずは、それぞれのメリット、デメリットについて確認してみましょう。
2交代は深夜の勤務時間が長いため、必然的に緊張を伴う時間も長くなります。新卒で勤務し始めたばかりの看護師にとっては、かなりのプレッシャーかもしれません。
家族と同居している場合は、互いの生活時間にズレが生じてしまいます。家族が活動している時間帯に自分は睡眠を取る必要があるため、互いに気を使うこともあるでしょう。
このようなデメリットはありますが、3交代よりも2交代が好きだという声も多く聞かれます。理由としては、2交代はオフの時間が長いので、プライベートタイムをしっかり取れるということ。また、交代回数が少ないので生活リズムが崩れにくいというメリットもあげられます。
3交代は1回あたりの勤務時間が短いので、2交代に比べると1回のシフトにおける心身の疲労が少ないというメリットがあります。しかし、その分オフの時間も短めになるため、日々の生活が慌ただしく感じるかもしれません。また、3つのシフトをこなすとなると、生活リズムも安定しづらいでしょう。生活が不規則だと疲労が抜けづらくなったり、食事を取る時間によっては体重が気になったり…というデメリットもあります。心当たりがある方もいそうですね。
常勤看護師は社会保険や家賃補助などの福利厚生が適用されるうえ、ボーナスも4~5ヶ月分支給されます。さらに、夜勤手当が別途上乗せされるため、年齢やキャリアに関係なく働いた分だけと確実に稼ぐことが可能です。しっかりと収入を得たい方や体力に自信がある方は、常勤看護師として活躍できるでしょう。
「夜勤なし」で働くとどうなる?
夜勤なしの常勤看護師の勤務先として、入院患者がいないクリニック、外来、保健所、保育園などが挙げられます。日中のみの勤務なので、家族と活動時間を合わせやすいというのが大きなメリットです。小さなお子さんをお持ちであれば、保育園の送迎がしやすくなるうえ、夜勤による留守番もさせずに済みます。お子さんと一緒に食卓を囲み、ゆっくりと話を聞いてあげることもできるでしょう。
家族のみならず、友人と時間を合わせやすいのも嬉しいポイントです。退勤後や日曜日、友人と一緒に食事やショッピング、映画などを楽しめますよ。プライベートが充実しそうですね。
常勤看護師は、一般企業に置き換えるならば「正社員」です。そのため、夜勤がなくても社会保険や福利厚生はきちんと適用されます。しかし、夜勤手当が付かない分、収入は少なくなるでしょう。また、ボーナスも病棟を持つような大きな医療機関に比べると少ないと思われます。
もし、「夜勤あり」「夜勤なし」どちらを選択すべきか迷う場合は、家族・収入・体力に着目すると決めやすいでしょう。体力に自信がある方、しっかりと収入を得たい方は、夜勤あり。家族に子どもや介護が必要な方がいる場合は、夜勤なしの方が勤務しやすいと思われます。自分のライフスタイルに応じて働き方を選べるのが、看護師という職業のメリットでもあるでしょう。
線引きが曖昧な「非常勤看護師」と「パート・アルバイト看護師」
常勤以外の働き方をする看護師を一般的に「非常勤看護師」、もしくは「パート看護師」や「アルバイト看護師」といいます。これら3つの線引きは非常に曖昧です。強いて言うならば、同じ職場や安定した勤務日数で働くのが「非常勤看護師」、短時間だけど長期働くのが「パート看護師」、単発で働くのが「アルバイト看護師」という見方が強いでしょう。
しかし、これは厳密にいうと正しくありません。
非常勤看護師は、勤務時間や日数を自分で自由に選べると思われていますが、決定権は勤務先にあります。働き手を欲する職場が必要な時間や日数を示しており、それが希望に合致するか否かを看護師が選べるというのが本来の「非常勤看護師」です。パート・アルバイト看護師は短時間や単発勤務だと思われていますが、週3日フルタイムで勤務する看護師もいます。
正しくは、常勤以外の働き方を「非常勤」と呼び、その中に「パート」や「アルバイト」が含まれるということです。一定の条件を満たすと、いずれも雇用保険に加入できるため、保険の有無による違いもありません。
そうは言うものの、一般的なイメージにそって「非常勤」「アルバイト」「パート」といった名称で求人を出しているところが多くあります。そこで、自分が応募をする際は、勤務する日数や時間をしっかりと確かめることが必要です。
非常勤看護師の収入が、常勤看護師より多いということはほぼありません。しかし、効率的に稼げる一面もあるため、志望する方は多い傾向にあります。看護師の仕事は好きだけど、がっつり仕事だけするのは避けたいという方、育児と仕事を両立したいという方などに適しているでしょう。
短期間や単発で働く「派遣看護師」
派遣会社から、病院やクリニック、施設、ツアー、イベントなどへ派遣される看護師を「派遣看護師」といいます。看護師と雇用関係を結んでいるのは派遣会社であり、派遣先の病院やクリニックではありません。そのため、給与は派遣会社から支給されます。
派遣看護師の時給は、アルバイト看護師やパート看護師に比べるとかなり高めです。常勤看護師のようにボーナスは出ないものの、時給が高く月々の手取りが多いため、年収を比較するとそこまで見劣りすることはありません。
業務面では、病院やクリニックが研修時間を取らなく済むよう、即戦力として活躍できる看護師が求められます。残業や勉強会への参加は、ほぼしなくてかまいません。また、難しい患者さんや重たい責任を伴う仕事は、直接雇用されている常勤看護師が行うため、気持ち的に負担が少ないというメリットがあります。
ひとつの派遣先で働く期間は、1年~1年半ほど。長くても3年程度のため、職場の人間関係に巻き込まれにくいでしょう。しかし、他のスタッフと打ち解けられないということではありません。あくまでも、ほどよい距離感が保てるということです。また、ツアーやイベントに派遣される場合は、数日間という単発なので、なおさら煩わしい人間関係に悩まされることがありません。
一見、メリットが多いように感じる派遣看護師ですが、注意しなくてならない点もあります。まず、派遣看護師は正職員ではないため、医療機関が用意している看護師寮は利用できません。また、派遣看護師はローンの審査に通りづらいため、車や住宅など高額な買い物の際に困ることがあります。計画的に貯蓄していくことも必要ですね。
しかしながら、看護師は慢性的に不足している状態が続いているため、お仕事がなくて困ることは、ほとんどありません。多くの医療機関が派遣看護師を迎え入れ、その契約を更新し続けているのが現状です。
派遣に興味のある常勤看護師は要チェック!
人材紹介会社を利用して探そう
派遣看護師として活躍したい場合、個人で求人を探すよりも人材紹介会社を利用したほうが効率よく探すことができます。なぜなら、人材紹介会社では一般では公開されていない非公開案件を含む数多くの求人を保有しており、転職の成功に向けて様々なサポートも行ってくれるからです。サポートの中には履歴書の書き方指導や面接の対策も含まれているため、採用の確率をより高めることができるでしょう。
なぜ派遣看護師を選ぶのか?
女性の多い看護業界において、変化するライフスタイルに合わせながら勤務コントロールができる派遣看護師は収入と雇用が不安定、というネガティブなイメージがある一方、「働き方を自由に選ぶことができる」「体力的・精神的負担が少ない」「プライベートを充実させることができる」といった点もあるため、近年注目を集めている働き方です。
まずはメリットを紹介!
派遣看護師は、派遣先の職場ではなく派遣会社と雇用を結んでいます。派遣先との間に派遣会社が介入しているため、急な残業を頼まれても角を立てずに断れるでしょう。また、もし何か不満があっても、我慢せずに派遣会社に相談すれば改善してもらえる可能性もあります。直接話すわけではないため、派遣先との間に余計な摩擦を生むこともありません。他にも、自由度が高い、多くの経験を積める、ミスマッチを防げるといったメリットがあります。